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これからのリノベ/減築のすすめ(戸建て木造住宅)

法改正後、2階建て住宅の新築、増改築はすべて確認申請が必要になりました。

建築費はこの5年でびっくりするくらい高くなりました。
その上、建築基準法の改正で、今までは確認申請が不要だった一般的な住宅の新築・増改築も確認申請しなくてはならない。
しかも新築は、構造計算や、省エネ基準を満たすための適合判定審査も必要です。

確認申請.png

ただし法改正によって、以下のようなメリットも生まれます。
(1)えたいの知れない家ではなくなる
都市部に建てられた家でも、木造住宅は大半が確認申請されていなかったので、どんな性能の家なのか、不明でした。
・・・耐震性が本当にあるのかどうか、どれくらい断熱性があるのか、図面の仕様書通りに建てられているのか
(2)郊外の家の新築増改築も、2階建て以上は確認申請をする
今までは、建築士の資格のない大工さんでも家が建てられましたが、これからは確認申請するので、耐震性などについても数値化された性能が担保され、安心です。

ただ、冒頭に書いた通り、工事代がそもそも高くなっている上に、さらに確認申請や検査や書類作成の費用が上乗せされるとなると、負担は大きくなります。
そこでおすすめするのが、平屋への減築/建替えです

2階を平屋.png
なぜ減築がおすすめなのか?

おすすめの理由①
指定区域外の平屋への減築工事や建替え工事は、確認申請が不要
ただし減築を検討する際は、規模や工事内容等によって確認申請が必要と判断されるケースもありますので、
のちのちトラブルが起こらないよう、自治体への確認なども含め、建築基準法に詳しい専門家に依頼するのが良いでしょう。

おすすめの理由②
平屋は、耐震性を上げるのが簡単
耐震性を上げるために柱を太くしたり構造となる壁を配置するにはコストがかかります。
平屋は、2階を支えるための力が不要なので、その分コストダウンできますし、
間取りプランも2階建てにくらべれば自由になります。

おすすめの理由③
コンパクトな住まいは「維持管理・耐久性・省エネ性」に優れている
2階が本当に必要かどうかは、家族構成によりますが、
現時点で2階の部屋が物入れと化している場合は、不要と考えていいと思います。
住まいを簡素化することで、余分な物を置かない、隅々に目が届く、光熱費が少なくなる、
維持管理がしやすいなど、メリットはかなりあるでしょう。
2階を平屋に減築。施工事例のご紹介

外観前後.png
2024年11月に完成した福岡県朝倉市での工事です。
建替えではなく、減築という改築、スケルトンリフォームです。


前後図面.png

外壁や床、天井などはすべて解体し、
屋根下地や柱、梁などの構造も、老朽化していた部位は新しく造作しなおしました。

スケルトン解体.png

耐震性を上げる工事
基礎の弱いところは配筋しなおして補強したり、内部の新しい壁の要所要所に火打ち金物や筋交い、ボルトなどを設置します。
耐震性.png
もちろん、補強する場所や補強内容は、耐震診断の結果をもとに「耐震補強計画書」を作成し、評点1.5(耐震等級3)以上になるように計算して決めます。
(評点1.5=建築基準法で定められた耐震性能の1.5倍の強度)

耐震診断.png

断熱性能を上げる工事
断熱工事は、次世代省エネ建材支援事業という補助金制度を使いました。
この補助金制度の要件として、
・壁の断熱材として「断熱ボード」という製品を使うこと、
・床の断熱性能は熱抵抗値2.2以上
を満たすための工事が必要でした。
天井の断熱材も断熱ボードを使えば補助金申請できますが、工事費が上がるため、天井はグラスウール断熱材を使うことにしました。
床と天井の断熱材は、省エネ仕様基準の熱抵抗値を満たします。

断熱工事.png

工事にいたった経緯
お施主様(M様)は、生まれた時からこの家にお住まいでした。
ご自身がこの家を受け継ぐことになった時、古い家なので、リフォームか建替えをしよう!と思われたそうです。


建替えか?
リフォームか?

当初は建替えでプラン、見積をしていましたが、近年、新築工事で使える補助金は「子育て/若者世帯」の条件があるためM様は使えませんでした。
リフォームでしたら使える補助金制度が多く、その金額も大きかったため、建替えは断念して減築工事の見積になりました。
建替えと減築工事では、費用は大きく異なりませんでしたので、補助金額が多い分、減築の方が有利となりました。
(建替え 約2700万円  減築工事 約2600万円 ※ともに解体費用を含む)
ほかにも減築の場合は、各種リフォーム減税も利用できます。

【補助金額】次世代省エネ建材内張断熱 約140万円
      その他の補助金 約80万円
【リフォーム減税】住宅ローン所得税減税
         耐震改修固定資産税減税
         不動産取得税の軽減の特例
建替えをするにせよ、減築工事をするにせよ、税金や登記の問題がついてまわります。
予測可能な手続きや申請について、あらかじめアドバイスをした上で、全体予算と資金計画を立てます。


工事前と工事後の室内写真
室内前後.png

工事後の感想
昔の住宅は、水回りが土間、もしくは外に配置されていたので、昭和以降に台所や浴室は家の中に配置されるようになったものの、洗濯機を置く場所については、長らくの間、外に置く物として家が建てられていました。
アパートなどでも古いところは、今でもベランダや共用部分に洗濯機が置かれているところが残っています。

今回の工事では、洗濯機はもちろん洗面脱衣所に置けるようにしています。
だけどずっと外で洗濯機をまわしていたご家族は、家の中で洗濯ができることが、とにかく良くなった(とくに寒い冬は)とのことです。

断熱しているので、いつも泊まりにきていた親戚や子供たちが
「前の家は寒かったけど、あったかくなって、とても良くなった」と喜ばれ、
家の中での活動量も増えたように感じるそうです。

これから、 工事後はじめての夏を迎えますが、きっと快適にすごしていただけると思います。


老朽化した我が家をどうにかしたいとお考えの方は
当社では、木造住宅のプロならではの知識と経験をもとに、設計から各種手続きの提案、登記、相続、贈与、リフォーム減税や補助金制度、資金計画など、総合的な提案ができます。
もちろん住宅性能についても、どのレベルまで上げるのか、全体のバランスも考慮します。

困ったときには、お気軽にご相談ください。




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