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契約時に「石綿調査結果」の説明が必要となりました

契約時に、リフォーム工事請負者が石綿の調査結果を説明し、
説明を受けた発注者の署名が必要となりました。
以下が「一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会」が公開、販売している
住宅リフォーム工事の標準契約書、1ページと2ページです。
https://www.j-reform.com/publish/pdf_shosiki/keiyaku-r7.pdf
右側が、「解体等工事に係る事前調査説明書面」で、
石綿含有建材の事前調査結果を記入できるようになっています。

契約書12.png
右ページのみを大きく表示します。
契約書2.png
石綿事前調査の結果や、調査を実施した石綿講習受講者の情報(赤枠)などを書き込み、
契約時にお客様に説明する必要があります。
その後、事業者は「説明をしたことの署名」
お客様は「説明を受けたことの署名」をして、

その他は従来通り、約款の説明等をすることで契約は完了します。
契約と約款の解説、契約書の記入例などは、以下からダウンロードできます。
https://www.j-reform.com/publish/pdf_shosiki/keiyaku-guide-r7.pdf

石綿含有建材調査者の講習を受けた者がいない事業者は、
当社など調査会社に調査を委託して、赤枠内に調査者の情報を記載します。


現地調査をする前の「書面調査」が、とっても大事。

当社の場合、現場調査の前に、設計図書や仕様書、写真などで、
あらかじめ「レベル1」の石綿粉じんを含む建材がある可能性を検討しています。
レベル1建材の可能性がある場合、当社では調査を中止し、
依頼者に工事計画の中止をおすすめしています。

工事計画を中止せずに石綿粉じん含有建材を除去する場合は、経験豊富な専門の事業者に依頼しなければ、危険です。
費用も日数も想像以上にかかるでしょう。
isiwatatirasi.png

https://www.taking-one.com/files/uploads/isiwatatirasi.pdf
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古い住宅や公共の施設などでは、ときどきレベル1建材が確認されます。
もしも事前調査をせずに工事着工し、解体時にレベル1建材を壊したら、
従業員やお客様のご家族が粉じんを吸引して健康被害を受けるだけでなく、
損害賠償請求の訴訟リスクが発生します。
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マンション、戸建て住宅の石綿調査の見積費用
石綿事前調査の費用は、マンションや戸建ての住宅で、4万円~10万円程度が相場のようです。
ただし、建材を採取して分析に出すと、費用は一気に跳ね上がり、
検体の数にもよりますが、20万円~30万円程度かかっていることも多いと聞いています。 
※以下は分析会社の実際の請求書を転記したものです。
bunnsekiryoukinn.png
この費用をお施主様に負担いただくのは、たいへんです。
不必要な分析調査は避け、本当に必要な調査と対策をしてください
一般的な住宅のリフォーム工事の場合、書面調査でレベル1建材の可能性は低く、
ほとんどの場合レベル3建材で、分析調査に出す必要はありません。
現地調査後の報告書には、レベル3建材は分析せずに「みなし」と書けばよく、
解体工事では建材の湿潤化と手ばらし、防じんマスクの着用で対策できます。
そうすると調査費用も、当社に依頼された場合は4万円~6万円程度ですみます。
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説明すれば、お客様はすぐにご理解くださいます
石綿調査の費用を請求すると工事費用が高くなるから、お客様がいやがるなど、
さまざまな理由で石綿調査を実施しない工事会社は多いようですが、
石綿を少量吸い込んだだけで、肺がん、呼吸器系疾患のリスクが高まります。
従業員やお客様の家族の健康のため、ぜひお客様に説明をしてください。

※説明時に使えるチラシ:環境省「建物所有者の皆様へ」
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12294133/www.env.go.jp/air/air/asbestos/index.6/jizen.pdf
     setumei.png

石綿含有建材調査者講習講師
株式会社テイキング・ワン 田篭 武彦

 
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